ドイツの帰国子女が受けた教育は、どういった学校に通っていたのかで大きく異なります。日本は小学校から高校までみんながほとんど同じ進路を歩むので授業のレベルは違っても学校生活にはほとんど変わりがありません。
ドイツでは小学校は10歳までで、その後は大学進学か就職を選ぶかで学校の種類が変わってくるので、学校生活や授業もそれぞれ全く違います。大学進学を目指していた帰国子女はギムナジウムという中高一貫校のような進学校に進むので、ラテン語や高度な数学、物理、国語や歴史の授業など幅広い分野の学習をします。
就職を目指す生徒は15~16歳で職業学校に進み、インターンシップのような感じで企業で実際に働きながら週に数日間は学校の授業を受けるデュアルシステムという形で勉強をします。
手工業や伝統工芸などを学んだり、オフィス事務や販売員、医療関係、福祉関係、建築や作業員などあらゆる職業を学ぶことができるので、就職を目指して学んでいた海外子女はかなり早い段階で職業経験があるので日本で将来の就職のとき有利だったり、日本の学生が全く知らない社会的経験を積んでいる一方で高校の授業の内容が足りなくて遅れを取り戻すのに苦労することもあります。