英語圏や他の国際学校からの帰国子女の受け入れに関しては、相当量の情報と体制が整っていると言えます。一方、それ以外での言語の場合、国外の学校教育を受けて帰国する子どもを対象とした情報や体制は限られているのが現状です。
背景としては、帰国子女を受け入れている学校の殆どは、英語にしか対応できないという実情があります。その為、フランス語圏やドイツ語圏、スペイン語圏などで暮らしていた帰国子女では、日本の学校の選択肢が限られてくると言えます。それでも、選択肢が全くないわけではなく、海外子女教育振興財団などの支援を受けながら、国内に溶け込みながら学ぶ機会を得ているわけです。当振興財団が毎年行っている外国語スピーチコンテストでは、各言語による応募が多数あり、言語能力が見事に保持伸長されている様子が伺えます。
御茶ノ水女子大学や東京学芸大学、神戸大学などの国立大学の付属小学校には、帰国生の学級が併設されています。対象となるのは、在外期間が長く、日本語の基礎から学ぶ必要がある子どもです。それ故、外国の滞在期間が短い生徒の場合を考えると、一般の公立小学校に入ったほうが良い場合もあるわけです。ただ、「国立大付属」というブランド力が強いため、親のほうが学校の選択を誤ってしまうケースも多いと言えます。